新人勉強会について(前半)

2026年9月1日

当薬剤部では,新人薬剤師を対象に,1年間を通して新人勉強会を実施しています.各分野で活躍する先輩薬剤師がさまざまなテーマに沿って講義を行い,新人薬剤師同士でのディスカッションや,実際の症例を想定した演習などを通して,日々の業務に必要な知識や技能を学んでいます.

今回は,新人勉強会の前半(4月~6月)の内容をご紹介します.

【4月:医薬品情報】

医療スタッフからの質問対応の方法,医薬品検索ツールの使用方法について

【5月:電子カルテの操作】

患者の基本情報・薬剤情報の確認方法,処方データの入力方法について

【6月:TDM(基礎編)】

TDMが必要となる医薬品,解析ソフトの操作方法について

新人薬剤師の感想

【4月開催:医薬品情報】
  • 演習問題を通して,医薬品情報の検索方法について学びました.先輩薬剤師からさまざまな情報源の特徴や活用方法を教えていただき,問い合わせに対して適切な情報を収集・評価するための基礎を身につけることができました.今回学んだことを今後の日常業務に活かし,根拠に基づいた情報提供ができるよう努めていきたいと思います.(岡拓己薬剤師)
【5月:電子カルテの操作】
  • 実際の画面を用いて電子カルテの基本的な操作方法や,患者情報・検査値・処方内容など必要な情報の確認方法について教えていただきました.今後の業務において電子カルテを積極的に活用し,適切な薬学的管理や情報収集につなげていきたいです.(川原広大薬剤師)
【6月:TDM(基礎編)】
  • TDMの基礎知識について学び,投与設計に使用する解析ソフトを実際に操作しながら演習に取り組みました.患者ごとの情報に基づいて投与計画を立案する過程を学ぶことで,TDMの重要性や解析ソフトの活用方法について理解を深めることができました.今後は,解析ソフトを適切に活用しながら,より適切な投与設計が行えるよう知識と経験を積んでいきたいです.(名倉京佑薬剤師)

新人勉強会(後半)の掲載もご報告も予定しております.今後の薬剤部Nowにも是非ご期待ください.

 勉強会の様子

「遠隔地域薬学講座」について菊岡亮特任助教にインタビューしました!

2026年8月31日

当薬剤部では,医療法人美甘会勝山病院からの寄附により,2026年4月1日に寄附講座「遠隔地域薬学講座」を開設しました.本講座では,当院薬剤部が培ってきた臨床薬学の専門性や教育・研究機能を地域医療へ展開し,遠隔医療や医療DXなどを活用した新たな地域薬学モデルの構築を目指しています.

本記事では,寄附講座での取り組みや研究・教育への思い,今後の展望について,本講座の専任教員である菊岡亮特任助教にお話を伺いました.

勝山病院で薬剤業務に取り組む菊岡亮特任助教

Q. 寄附講座とは?
A. 企業や医療機関などからの寄附をもとに大学に設置される教育・研究のための講座です.寄附を受けた分野における教育・研究を推進することを目的として設置されます.

Q. 遠隔地域薬学講座に携わることになったきっかけを教えてください.
A. 遠隔地域薬学講座の構想は,勝山病院の常勤薬剤師が不在となることを契機に,地域医療を支える新たな取り組みとして生まれました.
私がこの講座のお話をいただいたのは,2025年の秋ごろです.当時は大学病院で勤務5年目を迎え,調剤・抗がん薬調製・病棟業務など幅広い業務に携わり,日々やりがいを感じていました.一方で,「これまでとは違う環境で,新しいことに挑戦してみたい」という気持ちもありました.そのようなタイミングで今回のお話をいただき,大学病院における急性期医療とは異なる地域医療を経験できる貴重な機会だと考え,寄附講座に携わることを決めました.

Q. 現在,寄附講座ではどのような研究や活動に取り組んでいますか?
A. 現在,寄附講座では,地域の限られた医療資源を有効に活用するための研究や,勝山病院の薬剤業務を支える活動に取り組んでいます.
地域医療では,薬剤師をはじめとする医療従事者の不足が大きな課題です.そのため,限られた人員や資源でも必要な医療を継続して提供できるよう,業務の進め方を見直し,デジタル技術なども活用しながら,無理なく続けられる体制をつくることが重要だと考えています.

Q. 現在,寄附講座ではどのような研究や活動に取り組んでいますか?
A. 現在,寄附講座では,地域の限られた医療資源を有効に活用するための研究や,勝山病院の薬剤業務を支える活動に取り組んでいます.
地域医療では,薬剤師をはじめとする医療従事者の不足が大きな課題です.そのため,限られた人員や資源でも必要な医療を継続して提供できるよう,業務の進め方を見直し,デジタル技術なども活用しながら,無理なく続けられる体制をつくることが重要だと考えています.
研究の一つは,患者さんのご自宅に残っている「残薬」に関するものです.地域医療では高齢の患者さんが多く,服用している薬も多いため,飲み忘れや処方変更により残薬が生じてしまいます.そこで,患者さんが実際に持っている薬の種類や数を医師や薬剤師で共有することで,適切な処方をめざし,安全な服薬につなげる方法を検討しています.将来的には,遠隔地からでも残薬の状況を効率よく確認できる仕組みづくりを目指しています.
もう一つは,病院内で使用されないまま使用期限が近づく「不動在庫」に関する研究です.岡山大学病院で日常的に使用されている薬が,勝山病院では不動在庫となっている状況を見たことがきっかけです.現在は,複数の病院間で医薬品を融通できると仮定し,その効果や課題をシミュレーションによって検証しています.将来的には,制度面・安全面の課題を整理し,必要な医薬品を安全に活用できる仕組みづくりにつなげたいと考えています.
研究以外にも,院内の感染対策を確認するICTラウンドへの参加や,薬品棚・医薬品マスタの見直し,在庫管理方法の改善など,日常業務の改善にも取り組んでいます.このように,日々の薬剤業務を支えながら,現場で見つかった課題を研究につなげ,その成果を地域医療へ還元していくことが,寄附講座の重要な役割だと考えています.

Q. 遠隔地域での医療に携わる中で,どのような魅力や課題を感じていますか?
A. 遠隔地域医療の魅力の一つは,病院の規模が比較的小さい分,現場で見つかった課題を職員同士ですぐに相談でき,業務改善までのスピードが速いことです.実際に薬剤の払出方法を見直した際も,関係職員と話し合いながら短期間で運用を変えることができました.薬剤師として積み重ねてきた経験や,大学病院で幅広い業務に携わった経験を生かし,その現場に合った方法を提案できるߞߞここに大きなやりがいを感じています.
また,大学病院に比べて,一人ひとりの患者さんとじっくり向き合えることも魅力です.勝山病院では多くの薬を服用するポリファーマシー(多剤併用)の高齢患者さんも多く,薬の内容だけでなく,生活状況や服薬管理まで含めて支援することを大切にしています.
担当する仕事の幅の広さも,この現場ならではの面白さです.岡山大学病院では,各部署が専門的な役割を担っていますが,勝山病院では調剤・病棟・医薬品情報など幅広い業務を一人で担当します.求められる知識や対応の幅が広い分,難しさを感じる場面もありますが,毎日が学びの連続であり,大学病院で各部署の先輩方に支えられてきたありがたさにも,改めて気づかされます.
これまでの経験を地域の現場へ還元しながら,そこで新たな知識や視点を得ていく——この往復こそが,地域医療に携わる何よりの醍醐味だと感じています.

Q. 教育ではどのようなことを意識していますか?
A. 教育では,知識を一方的に伝えるだけでなく,「なぜそうなるのか」を自分で考えることを大切にしています.
薬剤師が患者さんに適した薬を医師に提案するためには,薬がどのように働き,なぜその治療が必要なのかを理解し,根拠をもって説明する必要があります.そのためには,基礎薬学の知識に加え,ガイドラインや論文から得た情報を適切に評価して,提案につなげることが求められます.だからこそ教育の場でも,単に答えを覚えるのではなく,その答えに至るまでの考え方を身につけてほしいと考えています.
また,学生や若手薬剤師の皆さんには,さまざまな業務や環境を経験してほしいと思います.私自身,大学病院で複数の業務に携わった経験が,現在の勝山病院での患者さんへの対応や業務改善に生きています.一見すると今の仕事に直接関係がないように思える経験でも,異なる立場から物事を考えたり,新しい提案をしたりする力になることがあります.
私自身も,まださまざまな場数を踏みながら学んでいる途中です.興味を持ったことには積極的に挑戦し,その中で得られた知識や気づきを大切にしてほしいと思います.そうした積み重ねが,それぞれの薬剤師としての強みにつながると考えています.

Q. 今後の展望について教えてください.
A. 現在,薬剤師の地域偏在が社会的な課題となっており,その対策の一つとして,薬剤業務向上加算により,基幹病院の薬剤師が薬剤師不足地域の医療機関へ出向する取り組みが始まっています.一方で,労働人口の減少がさらに進むなか,薬剤師の確保が難しくなる地域は今後も増えていくことが予想されます.
そのような中でも,地域の皆さんが安心して医療を受けられるような体制を維持するためには,人材の確保だけでなく,医療DXを活用して限られた人材を支える環境づくりが重要になると考えています.
この寄附講座では,地域医療を支える薬剤師が働きやすい環境を整え,遠隔支援やAIといったデジタル技術を活かしながら,持続可能な地域薬学サービスのモデルを構築していきたいと考えています.
将来的には,勝山病院で築いた仕組みを一つのモデルとして,同じような課題を抱える全国の地域へ展開できる取り組みへと発展させていきたいと思います.


DMAT隊員として災害医療支援活動に参加しました

2026年8月10日

7月30日から8月2日にかけて,当薬剤部の小野澤壮平薬剤師が,岡山大学病院DMAT(災害派遣医療チーム)の一員として,令和8年熊本地震における災害医療支援活動に参加しました.現地では,患者搬送の支援や搬送情報の整理,特別養護老人ホームおよび避難所の状況評価を行い,関係機関との情報共有に取り組みました.また,避難者の健康状態や服薬状況の確認,必要な情報提供を行うとともに,救援物資の搬送支援にも従事しました.

被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げるとともに,被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます.

災害時には,医療支援だけでなく,患者搬送や情報管理,避難所支援など,多職種が連携した活動が求められます.当薬剤部では,今後も災害医療に関する知識や技術の向上に努め,地域医療に貢献できるよう取り組んでまいります.

前田嘉信病院長と出発前のDMAT隊員(小野澤壮平薬剤師は左から4番目)

DMAT本部で活動調整を行う岡山大学病院DMAT隊員(小野澤壮平薬剤師:中央)

手術室の看護師を対象とした注射薬バイアルの陰圧操作勉強会を開催しました!

2026年8月4日

7月16日,井川祐輔薬剤師が当院手術室の看護師を対象に,注射薬バイアルを安全に取り扱うための陰圧操作に関する勉強会を開催しました.

勉強会では,注射薬バイアルにおける陰圧操作の基本的な知識や注意点について解説するとともに,実際のバイアルやシリンジ等を用いて手技の確認を行いました.参加者は,安全かつ適切に注射薬を取り扱うためのポイントについて理解を深めながら,実践的に学ぶことができました.

薬剤部では,今後も他職種と連携し,医療安全の向上と適切な薬物療法の推進に努めてまいります.

 井川祐輔薬剤師が、注射薬バイアルの陰圧操作に関する基本知識を解説する様子

新入職員歓迎会を開催しました!

2026年6月25日

先日,薬剤部の新入職員歓迎会を開催しました.今回の歓迎会では,今春入職した薬剤師6名から自己紹介をしてもらいました.個性豊かな仲間が加わり,薬剤部のさらなる活性化が期待されます.

薬剤部員は,調剤室,薬品管理室,薬剤管理指導室,製剤室,治験推進部などの部署に分かれて業務を行っています.今回の歓迎会は,新人薬剤師が業務上関わる機会の少ない他部署の薬剤師と交流を深めるだけでなく,先輩薬剤師にとっても部署の垣根を越えて意見を交わし,互いに刺激を受ける貴重な機会となりました.

歓迎会は終始和やかな雰囲気で進み,笑い声が絶えない楽しい時間となりました.普段は業務に追われてゆっくり話せないような話題も飛び交い,職員同士の親睦が一層深まる,実り多いひとときとなりました.当薬剤部では,このような交流の機会を通じて親睦を深め,チームワークを高めながら業務に取り組んでいきます.

 歓迎会の楽しい一コマ

 槇田崇志副薬剤部長による挨拶の様子

福山大学 薬学部企業説明会へ参加してきました!

2026年6月10日

5月8日(金)に福山大学で開催されました薬学部合同企業説明会に,当薬剤部の小沼利光主任と,福山大学の卒業生である坂居知憲薬剤師が参加しました.福山大学薬学部合同企業説明会は毎年5月に開催されており,主に5年生を対象に行っています.

当日は,15名の5年生の方が当薬剤部のブースに訪れました.入職後の部署配属や研究内容,福利厚生などについて多くのご質問をいただき,とても活発な説明会となりました.

学生の方々に岡山大学病院や病院薬剤師の魅力が少しでも伝わり,進路選択の良いきっかけの場となれたのであれば嬉しいです.ご参加いただいた学生の方々,そして薬学部合同企業説明会の機会を設けてくださいました福山大学の先生方,ありがとうございました.

 福山大学薬学部合同企業説明会に参加した様子:坂居知憲薬剤師

サンクスカード、プレアボイド報告の表彰など、感謝の気持ちを形にしました!

2026年5月1日

今年度も新入部員を迎え,薬剤部全体での初めての部員会議を開催しました.その中で,昨年度を振りかえり,サンクスカードの実践への表彰やプレアボイド報告の表彰が執り行われました.座間味義人薬剤部長からの言葉や各受賞者の紹介と喜びの表情を掲載しました.

座間味義人薬剤部長からの言葉

当薬剤部では,「利他の精神」をモットーに,患者さんはもちろん,他職種との調和を大切にしながら,日々の業務に取り組んでいます.
田中雄太副薬剤部長の発案により,感謝の気持ちを形にする取り組みとして,サンクスカードの掲示を行いました.さらに,その内容を集計し,表彰する機会を設けています.
また,プレアボイドは,薬剤師の介入により副作用や相互作用,重複投与などのリスクを未然に防いだ重要な取り組みであり,医療安全の観点からも非常に価値の高いものです.これについても,日々の皆さんの臨床的貢献に対する感謝の気持ちを込めて表彰させていただきました.
この場を借りて,薬剤部の皆さんに改めて感謝を伝えます.患者さんのために,岡山大学病院のために,そして薬剤部のためにご尽力いただき,本当にありがとうございます.

  • サンクスカード賞
    受賞者:岡野 志のぶ,橘 男
  • 特別功労賞
    受賞者:森田 晶子
  • プレアボイド報告 最多賞
    受賞者:菊岡 亮
  • プレアボイド報告 敢闘賞
    受賞者:森 彩美
  • プレアボイド報告 奨励賞
    受賞者:坂居 知憲,河井 花菜子
  • 優秀プレアボイド報告 最多賞
    受賞者:鬼無 奈々子
  • 優秀プレアボイド報告 貢献賞
    受賞者:有木 沙織,宮崎 大夢

(敬称略)

 左上から森彩美薬剤師,宮崎大夢薬剤師,橘男薬剤師,坂居知憲薬剤師,左下から有木沙織薬剤師,鬼無奈々子薬剤師,岡野志のぶ薬剤師,河井花菜子薬剤師

 左から田中雄太副薬剤部長,森田晶子事務員,座間味義人薬剤部長

 左から座間味義人薬剤部長,菊岡亮薬剤師

今年も新たな仲間が入職しました!

2026年4月7日

4月より,当薬剤部に新たに6名の職員を迎えることとなりました.
新入職員の皆さんが薬剤部に新たな風を吹かせてくれることを期待するとともに,一日も早く業務に慣れることができるよう,職員一同でサポートしてまいります.

また,当薬剤部は本年度より独自の薬剤師レジデント制度を導入いたしました.
本制度は臨床・治験・研究の3コースから選び,実務と各分野を体系的に学びながら高度な薬剤師を育成することを目的としています.

当薬剤部では,業務,教育,研究を基本としており,今年度もさらに気を引き締め,患者様に安全で質の高い医療を提供できるよう努めてまいります.

 フレッシュな新入職員6名

出向式を執り行いました!

2026年4月6日

2026年4月1日より,当薬剤部の廣江訓子薬剤師が成羽病院へ出向し,菊岡亮薬剤師が岡山大学研究・イノベーション共創機構の寄付講座の助教に就任いたします.2人の薬剤師の新たな挑戦を激励するべく,3月18日に薬剤部にて出向式を執り行いました.
式では,2人がそれぞれ抱負を述べ,座間味義人薬剤部長からは激励の言葉が贈られるとともに,花束が贈呈されました.
当薬剤部では,今後も各地で活躍する薬剤師と協働し,地域における安心かつ安全な医療の提供に貢献していきます.

廣江訓子薬剤師からのコメント

成羽病院へ出向の機会をいただき,大変光栄に存じます.機能の異なる二つの施設間における人事交流を通じて,双方の課題を補完し合う一助となれるよう努めてまいります.自分の経験を活かして,何か一つでも現場の力になれれば嬉しいです.

菊岡亮薬剤師からのコメント

全国的にも新しい取り組みに携わる機会をいただけたことに感謝しています.病院薬剤師による遠隔医療という新たな分野に挑戦し,地域の皆さまにより良い医療を届けられるよう取り組んでまいります.

廣江訓子薬剤師(左)へ座間味義人薬剤部長(右)から花束を贈呈する様子

菊岡亮薬剤師(左)へ座間味義人薬剤部長(右)から激励の言葉を送る様子

 出向式に参加した薬剤部員

健康教室を開催しました!

2026年3月3日

2026年1月22日,総社市の池田分館にて,地域住民の皆さまを対象とした健康教室を開催しました.当日は11名の方にご参加いただき,講演会と健康測定を通して,日常の健康管理について理解を深める機会となりました.

今回の健康教室は,岡山大学病院薬剤部出身で寄付講座「地域創生在宅薬学講座」の三浦太郎助教とのご縁を機に実現しました.また,生活習慣病や健康食品の分野で活動されている株式会社サイディンの弘津辰徳先生にもご協力いただき,大学・病院・企業が連携して地域の健康づくりに取り組む企画として開催しました.

講演会ではまず,槇田崇志副薬剤部長が「お薬手帳」をテーマに説明しました.紙製のお薬手帳と電子お薬手帳の特徴に触れながら,災害や救急搬送などの緊急時にお薬手帳が重要な役割を果たすことを紹介しました.続いて,田中雄太副薬剤部長が肥満症に関連する生活上の注意点や最近の薬物療法について解説しました.最後に,弘津辰徳先生より生活習慣病と健康食品についてご講演があり,健康食品に用いられる「シクロデキストリン」という成分の働きについてもご紹介いただきました.

講演後には血糖値測定や骨密度測定を実施しました.参加者は自身の数値を確認しながら,現在の健康状態を振り返る様子が見られました. 参加者からは,特にシクロデキストリンに関する内容に関心が寄せられ,「単鎖オリゴ糖と環状オリゴ糖の違いは何か」「どれくらいの摂取が目安なのか」といった具体的な質問をいただきました.また,お薬手帳の活用について理解が深まり,日常生活での実践につながる内容であった様子がうかがえました.

今回の健康教室を通して,大学・病院・企業が連携することで地域に根ざした健康支援が可能であることを改めて実感しました.今後も継続して健康教室を開催し,地域の皆さまとのつながりを大切にしていきたいと考えています.

参加者と交流する田中雄太副薬剤部長(左)と槇田崇志副薬剤部長(右)

健康測定の様子(左:槇田崇志副薬剤部長,右:三浦太郎助教)

丸山里咲薬剤師に聞く成羽病院での出向活動

2026年2月5日

当院薬剤部の丸山里咲薬剤師が成羽病院へ出向して,約2か月が経過しました.本記事では,成羽病院での取り組みや現場での経験について,丸山里咲薬剤師へ行ったインタビューの内容をご紹介します.

成羽病院は,岡山県高梁市に位置する総合病院で地域医療の要となっています.病床数は一般病床43床,医療型療養病床12床であり,薬局は薬剤師3名,医療事務1名から構成されています.今回,丸山里咲薬剤師は薬剤業務向上加算の算定要件に基づく取り組みの一環として,同院へ4か月にわたり出向しています.

それでは早速,インタビューの内容をご紹介します!

Q. 今回,出向しようと思ったきっかけを教えてください.
A. 地域医療,特に山間部や過疎地域における医療の現状を,実際の現場で学びたいと考えたことが,出向を希望したきっかけです.岡山大学病院とは異なる医療環境の中で,地域に根ざした医療の役割や,患者さんの暮らしに寄り添う医療の重要性を直接感じたいと思いました.

Q. 成羽病院では,どのような業務を行っていますか?
A. 主に病棟業務を担当しており,入院患者さんへの服薬指導を中心に行っています.ご高齢の方や認知機能が低下した方もいるため,患者さんの理解度を意識しながら説明することを心がけています.また,入院期間が大学病院と比較して長く,お話しする機会も多くなるため,繰り返しお会いする中で気軽に相談していただける関係性を築き,安心して服薬できるよう支援したいと考えています.

Q. 業務を行う中で,岡山大学病院と違いを感じることはありますか?
A. 多職種カンファレンスにおいて,すべての患者さんの退院後の生活まで見据えた話し合いが行われている点です.医療面だけでなく,患者さんが地域でどのように生活していくかを考えながら,地域資源を踏まえて支援方針を決定されていて,地域に根差した病院の強みだと感じました.

Q. 出向してよかったと思う出来事がありましたら,教えてください.
A. ポリファーマシーのために薬を減らしたいと希望されていた患者さんの処方について,主治医に減薬を提案し薬剤調整を行えたことです.自宅では患者さん本人やご家族の方が管理することを考え,できるだけ簡潔な服薬内容となるよう意識して処方提案ができ,薬剤師としての役割とやりがいを改めて実感しました.

Q. 出向も残すところ約2か月となりましたが,今後の意気込みをお願いします.
A. 地域医療の現場で学べる一つひとつの経験を大切にしながら,成羽病院のチーム医療の一員として貢献していきたいです.ここで得た学びを今後の業務に活かせるよう,最後まで取り組んでいきたいと思います.

 成羽病院での多職種カンファレンスの様子